
白神カンパニー 白神あわび茸
白神あわび茸の魅力とおいしい食べ方
白神あわび茸はエリンギと「陸のあわび」とも呼ばれるバイリング茸を掛け合わせてできた新品種。まるであわびのようなコリコリの肉厚食感と、煮ても焼いても水気が出ない、型崩れしない調理のしやすさが特徴です。味が良く染み込むので、中華あんやパスタソースにも良く合います。天ぷらや唐揚げ、シンプルな塩コショウ炒めもオススメです。和食に使用する時に限り、2〜4時間ほど天日干しすると、仕上がりがグッとよくなります。きのこ独特のクセがなく、子どもやきのこが苦手な方にも喜ばれることから、三種町では学校給食にも使われています。食物繊維が他のきのこの2〜3倍もあり、糖分がとても少ないので、とってもヘルシーです。
きのこを育む、白神山地系秋田杉
白神あわび茸は、白神山地系秋田杉のオガ(木の粉)を培地にして育てられています。これが「白神あわび茸」という商品名の所以です。オガと言っても木工で出るオガクズとは違い、白神あわび茸栽培のためだけに作られた専用のオガです。白神山地系秋田杉の丸太のうち、水分量のバランスがよく、きのこの成長を妨げる菌糸阻害物質が少ない外側をオガにして使用しています。
工場内の空調・温度・明るさは24時間管理です。あまり湿気が多いと生育によくないため、梅雨の季節は特に調整が難しくなります。一部の工程では室内の照明を青いライトに。これは、白神あわび茸が高山地帯で育つバイリング茸の性質をもっているため、白夜と強い紫外線が降り注ぐ、本来の生育環境に近づけるための工夫です。白神あわび茸は、工場内でできる限り自然環境を再現することをイメージして、育てられています。
白神あわび茸の生産工程
培地材料仕込み
- 白神山地系秋田杉のオガに、水分と栄養分を含ませながら撹拌します。木の状態と天候によって水分量が大きく左右されるため、調整は熟練の経験が頼りです。
ビン詰め、殺菌
- ビンの中に培地を詰め、接種溝を開けてからキャップをし、120度の高温で殺菌します。
放冷、接種、培養
- 冷まして接種した後は、菌糸がビン内にまわって白くなるまで培養室で育てます。
菌掻き
- 発芽をそろえるために、種菌と培地をビン肩口まで削り取ります。良い芽を発芽させるのに必要な工程です。
芽だし、選定、間引き
- 一瓶にみっしりとたくさん芽生えてきます。その中から1本だけを選び、他を切除する工程が職人技の見せ所。
収穫
- 大きく育った立派な1本を手作業で収穫します。
「もっと多くの方に、白神あわび茸を知ってもらいたい──」
白神カンパニーの工場ができたのは21年ほど前。当時はエリンギを専門に育てていました。競争激化によって値下がりしたエリンギにかわり、4・5年前から白神あわび茸を出荷するようになったといいます。代表の安井重俊さんにお話を伺いました。
「白神あわび茸は秋田県の他には、首都圏のホテルやレストラン、一部のファミリーレストランに出荷しています。でも、知名度はまだまだです。無農薬・無添加物栽培で安心な『白神あわび茸』を、もっと多くの人に知っていただき、味わっていただきたいですね」。