
いちじく屋 佐藤勘六商店
いちじく屋 佐藤勘六商店
にかほ市は市場へ出荷されるいちじくの産地としては北限と言われています。鳥海山の麓(ふもと)、仁賀保高原と日本海に囲まれて育つ「北限のいちじく」。大切に育てられたいちじくにさらに手間暇かけておいしい「いちじく甘露煮」ができあがります。
にかほ市のいちじく栽培の歴史
昭和50年代、国の減反政策の中、にかほ市の米農家もこれまでの田を他の作物へ転作する道を模索し始めました。その際に目をつけたのがいちじくです。栽培に風土があっており、比較的手間がかからず、樹木自体の背丈が低いので収穫が容易であったことがその理由でした。そして「北限のいちじく」として出荷がはじまりました。しかし、10年程前から温暖化の影響でにかほ市でもいちじくの天敵であるカミキリムシが生息するようになり被害が出始めました。にかほの方たちはこれまでの考え方を変え、他の作物と同様に手間暇かけてカミキリムシを正しく駆除し「北限のいちじく」を守りました。現在、「北限のいちじく」は生産農家の方たちからわが子のように愛情たっぷり受けて、手間暇かけて育てられています。
いちじく甘露煮
にかほのいちじくは西日本で生産されるいちじくに比べるとやや小ぶりで上品な甘さが特徴です。そのままでももちろんおいしいのですが甘露煮やジャムなどの加工品にするとその良さがさらに引き立ちます。フレッシュいちじくは一年で二週間しか味わえませんが甘露煮やジャムにすることで一年中いちじくを味わうことができます。 「いちじく甘露煮」の原料は砂糖と水あめだけです。そのほかの添加物はもちろん、水も使わず仕込みます。勘六商店のいちじく甘露煮の露には、いちじく数千個の果汁が凝縮されているのです。甘さの中にも風味があって、少し酸味のある味わいは新鮮ないちじくを使用するからこそできる味なのです。
佐藤勘六商店 佐藤 玲 氏
家業の日本酒店を営む傍らで、地元にかほし大竹地区で収穫される「北限のいちじく」から作られるいちじくの甘露煮の加工販売を行っています。いちじくの収穫がもっとも多くなる9月から10月にかけては自らも加工場に入り甘露煮作りに携わります。勘六商店の「いちじく甘露煮」作りは全て手作業です。大切に育てられたいちじくをじっくり煮込み我が子を育てるがのごとくに愛情がそそがれて佐藤勘六商店の「いちじく甘露煮」はできあがります。